選 別

 選別は何度か行います。

 最初は孵化1週間後に水替えをしますが1池1000匹にします。
 用意できる池があればいくつでもと言いたいのですが余りは差し上げるか流します。

 選別の準備は下のようにします。

 椅子は90°手前6時の位置にします。
 右の青い洗面器が選別前の稚魚です。
 網の置いてある洗面器(選別盆)に稚魚を入れ、そこで稚魚を見ます。
 残す子を右の台の上の洗面器に、ハネは選別用の洗面器の下の洗面器に入れます。

 
1度目の選別
 さて、本来の第1回目の選別は2週目です。
 1000匹 → 200匹にします。
 この選別は良い子を拾うようにします。

 まず1000匹から20匹を任意にすくいその中から良い子を選びます。
 5匹良い子がいなければもう一度20匹を見ます。
 もし、また5匹いなければこの池は流します。
 一方、20匹から7、8匹ほど良い子が拾えれば2池構想を考えます。


 左右対称で尾が開いている子を残します。
 鮒尾、曲りは絶対に残してはいけません。
 また、尾の中央に線がある子はつまみになるので残さないようにします。
 三尾、サシは今のところ分かりません

 
2度目の選別
 第2回目は3週目です。
 200匹 → 140匹 3割引きです。
 最初20匹を選別盆に入れ、良い子7匹を最初の写真の残す方の洗面器に移し、3匹をハネます。
 次に10匹を選別盆に入れ20匹にして同じことを繰り返します。
 最後の10匹は7匹、3匹にして終了です。


 ここからは良い子を残し、悪い子をハネると言う具合にします。
 悪い子は曲がり(前回曲がっていない子を残したつもりなのに曲がった子が出てきます。)、尾の開きが左右非対称、つまみが分かるかも知れませんのでその様な子はハネです。

 当然ここでは品評会のように順位を決めるのです。
 良いと言って数を残せば成長の妨げになるし、悪いと言って極端に数を減らせばやはり成長が悪くなります。
 これはフナには群生(群を作る性質)があり、群を作れない数の場合は成長が鈍ることが分かっています。
 どうしても甲乙付けがたい場合には大きい子を残し小さい子をハネます。

 
3度目の選別
 第3回目は4週目です。
 140匹 → 100匹
 この場合は最初20匹は同じなのですが、良い子5匹、ハネ2匹にします。
 7匹ずつ加えてもいいのですが10匹加え3回に1回は加えずに選別します。

 この場合も曲がり、尾の開きなどを見ます。

 フナ尾は絶対に残してはいけません。↓


 尾の真ん中に線がはっきり見える子はツマミです。↓
 もちろんハネです。


 サシも分かってきますのでサシの子はハネます。


 4度目の選別
 第4回目は5週目です。
 100匹 → 70匹
 2度目の選別と同様にします。

 大分金魚らしい格好になってきました。
 残す子↑

 スボケです。撥ねる子↓

 尾は扇子を完全に開いたようなのがよい

 難しいのが中間的な子です。
 種親の開き具合によっても異なりますが、後から尾張りの良くなる子もいます。、尾の広がりが将来を見越せる種以外の親から採った子は開いている順に残すのがよいと思います。

 サシも分かると思いますのでここでハネます。
 撥ねる子↓

 尾芯が体に入り込んでいる

 まくれ 撥ねる子↓

 この時期でまくれる子は大きくなってもまくれは治りません。
 種を考えるには早すぎ、他のいい子にしましょう。

 5度目の選別
 第5回目は6週目です。
 70匹 → 50匹

 すでにスボケはあんまりいないと思うのですが尾はかなり広がってきているものを残します。


 背の具合なども見るようにします。
 背は凹目は良いですが凸目はハネます。
 もちろん背びれのあるのはもっと前にハネておきます。
 背びれの痕跡もハネです。

 ↑ 写真のようにカクっとなっているのもハネです。

 6度目の選別
 第6回目は7週目です。
 50匹 → 35匹

 そろそろ頭の格好が四角くなってきます。(吻端が出てきました)
 尾や背の悪い子、サシ、つまみははもういないと思います。
 捻り(真裏から見て尾の付け根の上下違い)が出てきますし、
 付け違い(真上から見て尾の出方が左右違う)なども見受けられます。
 この時点で分かれば将来性がないのでハネます。

 三尾に関してですが、絶対にツマミでないと思える良い子でしたら残しますが、四尾とどっちが良いか迷うようでしたら四尾を残しましょう。

 以下は準備中 参考程度に読んで下さい。
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 7度目の選別
 第7回目は8週目です。
 35匹 → 25匹
 大分らんちゅうらしくなってきました。
 鱗を見てみましょう。
 渦を巻いたような生え方をしている子がいたら他の部分がどんなに良くてもハネましょう。

 8度目の選別
 第8回目は9週目です。
 25匹 → 20~22匹
 ここでは黒子になっていると思いますので頭作りのため極端には数は減らしません。
 10匹を選別盆に4匹を残し、1匹をハネ
 5匹選別盆に入れ4匹残し、1匹をハネと言うようにします。

 早い子は色変わりが始まっている場合もあります。
 頭作りをしていないのに吻端が出てきている子、尾筒の極端に太い子などは種としても使えるかも知れませんのでこの様な特徴のある子は極力残すようにします。

 9度目の選別
 第9回目は10週目です。
 20~22匹 → 16~20匹

 全ての池で色変わりは始まっています。
 今回も10匹を選別盆に4匹を残し、1匹をハネ
 5匹選別盆に入れ4匹残し、1匹をハネと言うようにします。

 
10度目の選別
 第10回目は11週目です。
 16~20匹 → 11~14匹

 この辺まで来ますとハネるのがだんだん難しくなります。
 虎禿げの時はちょっと窶れることもありますので尾は気にせずにいましょう。
 小さな欠点でもはねる材料としますし、欠点があっても良い特徴が有れば残します。

 池分けをしても良いし、2軍とか種用池を作っても良いでしょう。

 11度目の選別
 第11回目は12週目です。
 11~14匹 → 8~10匹

 大きな特徴があって欠点の少ない子は会用に、欠点があっても特徴のある子をは2軍池で残します。
 サイズ的にも大きくなっていない子はそれが欠点としてみます。

 
12度目の選別
 第12回目は13週目です。
 8~10匹 → 5~8匹

 この選別で終わりにします。

 それよりも前回の2軍と今回のハネとを比較して種に残せそうな子を選びます。
 雄は頭の発達が少なくても筒が太くて尾張りの良い子
 雌は尾張りが多少悪くても頭の良い子です。
 ただここでは4月始めの子でも7月半ば頃ですので雄雌ははっきりしません。
 2軍池で多めの飼育で餌もチョビットで良いので病気にならぬようにします。
 
 
9月末の選別
 そろそろ品評会も始まっていますが来年のことを考えて2軍池の子を選別します。
 雄は追い星が出ているので多少雄雌分かるようになります。
 2軍池で種用に待っている子は前述のごとく雄下半身、雌上半身です。
 サイズも大きくならない子はハネです。

 ただし、ここまで2軍とは言え残ってきた子ですのでここでのハネは鑑賞用にさし上げたりして下さい。

 サイズだけ小さい子は来年に向けて冬場ヒーターで暖めて春の二歳会で使うなり来年の2歳用に飼い込みましょう。